【仮】僕が『セイクリッドセブン』の“stone cold”を好きな幾つかの理由。

  • Day:2011.09.21 15:20
  • Cat:日記
 お久しぶりです。前回の余りに長い記事は「ニコニコのコメント機能が生み出す遠近感」の記事と比べると、当然の事ながらどうも不評だったようで何よりですw(←あんな文章に拍手とかコメントが付く方が怖いよね)
 そんな反省も交えつつ新たな記事を書こうと思ったのですが、今回はタイトル通り、アニメ『セイクリッドセブン』で使われていたFictionJunctionの“stone cold”という曲が如何に素晴らしく、また、更にそれがどのように素晴らしい使われ方をしていたかを題材に取り上げたいと思います。
(※参考にこれを聴きながら読んで頂ければ→youtube:flyingDOGch.の“stone cold”公式PV
 これは元々、twitterの方で(←またかよ)ちょこっと呟いた内容でもあるのですが、とある方から飲み会の席でその話をしていたら「それ、ちゃんと記事にして貰えないか」と何とも有難いリクエストを頂いたので、私見まみれの内容ではありますが、記事を書かせて頂こうと思った次第です。よって、毎度の事ながら当記事内には『セイクリッドセブン』の重大なネタばれがある可能性が御座います。それが嫌だ、という方はすぐさま[戻る]か[閉じる]を押して下さい。

 さて、まずは“stone cold”を語る為にはそもそもの本編である『セイクリッドセブン』の説明から始めなければならないでしょう。まずは簡単な説明として『セイクリッドセブン』の公式HPにある《INTRODUCTION》に書かれている内容を引っ張って来たいと思います。何と言ったって公式ですから、これ以上に確かなモノもないでしょうし。

舞台は関東のとある港町。
孤独な生活を送る丹童子アルマの前に、執事とメイドを引き連れた少女、藍羽ルリが現れる。
アルマに力を貸してほしい、と申し出るルリ
ルリアルマにセイクリッドセブンの力が宿ることを知っていたのだ。
しかし、その力で人を傷つけた過去を持つアルマは、ルリたちを追い返す。
一方、穏やかな町に突如現れる石の魔物「悪石(アシ)」。
立ち向かえるのは、アルマの持つセイクリッドセブンの力のみ。
しかしアルマは自分の力を暴走させてしまい、事態は悪化。
ルリアルマの本当の能力を解放させるため、宝石を錬成する。
「私の意思をあなたにあげる。」
ルリの思いを刻み込んだアルマの力が、“悪石”を撃ち砕く!!

 これが簡単な『セイクリッドセブン』のあらすじとなります。概ね、第一話の内容がこれであると思って頂いて結構です。
 前述のあらすじから恐らく分かると思いますが、この作品の主人公であるアルマの立ち位置は【ヒーロー】です。それは彼の変身した姿が石ノ森的な【マフラー】を纏い(【マフラー】は本作での【ヒーロー】の重要なアイテムとなります)、また往年のタツノコ作品にも似た色合いのデザインをしている事によく表れています。
 しかしながら、彼はそれらのヒーローとは違い(と言っても、幾つかの作品は既にそういったテーマ性を持っていたので完全に、とは言い切れませんが)巻き込まれ型の主人公であり、必ずしも自らの断固とした【意思】で戦いに参加した訳では(少なくとも初期は)ありません。
 ここで、さらにもう一つ、wikipediaからあらすじを(まずは一部)引っ張って来たいと思います。

17年前に地球に飛来した特殊な力を持った7種類の石「セイクリッドセブン」。それは触れた者を特殊な能力者「セイクリッドテイカー」へと変える力を持っていた。そして、その力を発動させる者は「悪石(アシ)」と呼ばれ、対してその力をコントロールする者は「善石(ヨシ)」と呼ばれる。
セイクリッドテイカーの少年・丹童子アルマは、以前に力を暴走させて大勢に怪我を負わせて以来人を遠ざけていたが、彼の前に藍羽ルリが現れる。ルリアルマに宿るセイクリッドセブンの力を、石の魔物「悪石」と戦うため貸して欲しいと申し出る。初めは断ったアルマだが、悪石に襲われた街を守るため、ルリによって本当の能力を解放させ「セイクリッドアルマ・リベレイター」へと変身し悪石を打ち砕いた。
アルマは力を制御できた事から周囲を避けてきた自分を変えることを決意し、その一歩として若菜が部長を務める「鉱石部」に入部。「鉱石部」には学園を買い取り理事長に就任したルリと執事の鏡誠の姿もあった。莫大な資産を持つルリは、その財力で悪石達と戦う組織を設立していた。その目的は悪石によって殺された両親の復讐と、石へと変えられてしまった姉アオイを元に戻すためだった。そしてセイクリッドテイカーの保護と研究を目的とした機関「研美研究所」の所長・研美悠士と共に悪石と戦い続けていた。

 これらは先程のあらすじよりも少し広い範囲、序盤の説明になります。やはり、こちらを参照しても主人公であるアルマが戦う理由は“目の前で起きた惨劇を(何となく)止めたい”以上のモノではなく、受動的な態度でしかありません(それ故、目の前でまだ事件の起きていない時点では彼女の願いを彼は拒みます)。

 では、まずはそうした内容から手始めに、この“stone cold”という曲の歌詞を取り上げつつ、どう描かれているかに注目していきたいと思います。
 OPに使われたこの曲の一番の歌詞は以下のようなモノです。

頑なな心のままで石ころは何処まで行ける

 これはこの歌の最初の歌詞ですがまさにアルマの事であるといえるでしょう。過去に力を暴走させ、人を傷つけてしまった事から他人と関わる事を拒み、それ故に周りからも不良だと恐れられていた彼は「頑なな石」と呼ぶに相応しいと思います。しかし、その後の歌詞ではこうも歌われます。

一粒の冷たい石に秘められた熱もあるだろう

 更に同じくBメロの歌詞。

空っぽのままの心でもいい

 サビの歌詞。

勢い任せで掴んだ手が きっと君を変えてくsignal

 これらはアルマの受け身の姿勢を(しかし、それでも肯定的に)歌ったモノであると言えます。
 それはこの曲が使われていた時のOP映像にも表れていて、OP内の映像でアルマは常に左から右、つまりは下手から上手へとアクションしていきます。
 画面の上手/下手には、例えば日本人は右から文字を読むからだとか、或いは舞台の上手/下手と同じだとか、様々な説があり、更にはその読解も同じように様々あるのですが(勿論、それらを逆手に取ったミスリードもあるのですが)、ここでは“基本的に右側・上手に強いモノがいて、左側・下手には弱いモノがいる”という事です。それは言い換えるならばこの作品では“上手に存在するモノは能動的であり、下手に位置するモノは受動的である”事を意味するでしょう。
 あらすじにも書かれている通り、本作では【意思】は重要なキーワードです。それは戦う相手を“悪石”と呼び、己の力を制御できるアルマのような者たちを“良石(ヨシ)”と呼ぶ事からも分かる事でしょう。
 そうした視点から観ると、なるほどアルマ以外のキャラは全て上手に存在しています。作中で出て来るもう一人の【ダークヒーロー】、ナイトとの戦闘シーンでさえ、アルマは下手、ナイトが上手です。

 しかし、唯一、アルマが上手に回る場面があるのです。
 それはルリと一緒にいる場面。
 例えば、OPのラストで下手から走るルリを空を飛んで迎えに来て手を差し伸べるアルマのシーンはそうです。
 しかし、最も特徴的なのは、バイクに乗って走るアルマを追い掛けてきたルリが車から彼の方に飛び移るシーンでしょう。
 それまで下手のアルマと上手のルリを背中側から追って行く映像が、ルリが飛び乗ると共に一気にぐるんと反転して上手のアルマ、下手のルリを前から映す画面へと移行するのですから。わざわざこのような面倒な動きをさせる以上、この反転は明らかな意図の元に描かれた映像だと言う事が出来る筈です。
 「頑なな石」、「空っぽの心」などと歌われるアルマですが、ルリと一緒にいる時は確かに彼は【ヒーロー】足り得ているのです(が、これに関しては、後半で更に触れる事になるので、ここでは一旦置いておきましょう)。
 それはアニメ本編で言うならば、アルマルリが力をコントロール可能にする為に力を使うシーンと強く結び付きます。彼女が宝石を浄化し、彼の中へと注ぎ込むシーンはまさに彼女が彼に【意思】=戦う理由を与える事だと言えるのではないでしょうか。

「私の意思をあなたにあげる。」

 これはあらすじにも書かれている重要な台詞なのですから。また、同じようにこの事は歌詞でも言い表わされています。

言葉に出来ないものを下さい

 このように、この曲はアルマルリの二人の関係を、引いては作品の全体を極めて忠実に歌詞へと落とし込んだ内容であると言えるのです。

 さて、まずはここまで語って来ましたが、実はこれで半分になります。ここまでは物語の前半部分と主に歌詞と映像を合わせた内容として来ましたが、この物語は中盤から一気に動き出します。そして、それと共にOP/EDも劇的な変化を見せる事になるのです。
 よって、この先は更に内容の核心部分に触れて行く以上、重大なネタばれは更に増える事となります。
 なので、ここまでで『セイクリッドセブン』が気になり、自分で観てみようと思った方は、或いはここで[戻る]や[閉じる]を押す方が良いかもしれません。

 では物語の後半部分へと記事を進めて行きたいと思います。ここでは更に、歌詞と、そして曲の方にも触れて行きたいと思います。
(続く)
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